まめ袖の製作行程をご紹介致します。反物から仕立てる着物(一般的な衣服着物)と最も大きな違いは、「3.柄合わせ」「4.ほどき」「5.地のし」を行うことです。「3.柄合わせ」は、まめ袖の印象を決める重要な作業です。「4.ほどき」「5.地のし」は、糸を丁寧にほどき、生地を整える作業です。材質や傷みの状態によっては、違う行程・下準備を要します。和裁師の長年の経験と技術で、「まめ袖」を美しく仕上げていきます。
ご予約のお客様から着物が到着次第、仕立てが可能か点検を致します。
(汚れ・色あせ・虫食い・擦り切れ等があってもご相談下さい。)
点検後、ご連絡を致します。①の点検結果を踏まえ、まめ袖の最適な仕上がりサイズをご案内致します。
着物の柄や、状態を見ながら裁断する部分を決めていきます。お客様に柄の切り抜き画像を確認して頂きます。
古い着物は、糸が固着している事もある為、生地が痛まないよう丁寧にほどきます。
生地に応じてアイロン等でシワを整えます。仕上がりに影響する重要な行程です。
着物は、身頃・衽(おくみ)・袖・衿・共衿・胴裏・裾回し。
襦袢は、身頃・袖・たて衿・衿にそれぞれ裁ちます。
コテを使い、折り目や縫い目となる部分に標(しるし)を付けていきます。
表地身頃と裏地身頃を作り、綴じ合わせます。その際、裾に綿詰めを行います。
褄(つま)と衿下(えりした)を丁寧に仕上げていきます。
袖の丸みを美しく仕上げる為に、弧の半径を袖の大きさに応じて調整します。
実際の着物と同じように、解れにくくするため、力布をあてて補強します。
留めを施した袖を、たるまないように縫い合わせます。前行程の留め方が重要です。
衿の標付けを行った後、衿を仕上げていきます。
袖口比翼・振り比翼・裾比翼をそれぞれ準備し縫い付けます。
着物と同じような手順で、襦袢を仕立てます。
※襦袢はオプション製作。
お手元に届いてから、すぐに飾って頂けるように、組み立て式の「衣桁」をお付けしてお届け致します。
※衣桁の形状は予告無く変更になる場合がございます。
標付け⑦の行程で使用する和裁道具。
キセをかけたり、便利な形状のアイロン。
まめ袖では、柳の一枚板を長年愛用してます。
朴、桂、柳、イチョウなど節目のない固い木が多い。